バニャイア、優勝で2連覇達成。1年前から遂げた「大きな成長」/第20戦バレンシアGP

Discussion in 'News and Articles' started by Auto News, Nov 26, 2023.

By Auto News on Nov 26, 2023 at 9:54 PM
  1. Auto News

    Auto News Moderator Staff Member

     2023年シーズンのタイトル争いは、最終戦バレンシアGPの決勝レースにまで持ち越された。その決着は、ホルヘ・マルティン(プリーマ・プラマック・レーシング)の転倒という形でついた。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は、優勝して2年連続のチャンピオンに輝いた。

     スプリントレースでマルティンが優勝し、バニャイアが5位に終わったことで、決勝レースを前に、ふたりのポイント差は14に縮まった。とはいえ、マルティンにとってはバニャイアの前でゴールすることが最低条件であり、バニャイアに有利な状況であることは間違いなかった。

     決着は、ほとんど3周目についた。バニャイアはスタート直後からトップに立ち、マルティンは2番手に追従した。3周目1コーナーまでのストレートでもマルティンはバニャイアの背後にぴたりとつけていたが、1コーナーのブレーキングでスリップストリームが利きすぎてバニャイアに追突しそうになり、これを避けたマルティンがオーバーランを喫したのだ。その後、8番手に後退したマルティンは必死に追い上げるが、6周目にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)に接触してクラッシュ。バニャイアのチャンピオン獲得が決まった。

     レース後、マルティンは1コーナーでの“あわや接触”について「ペコ(フランセスコ・バニャイア)をオーバーテイクしようとしたんだ。かなり複雑な場所だった。でも、レースを少し動かすにはベストな選択だったと思う。それから複雑な展開になった。かなり危険だったよ。(バニャイアの)後ろにつこうとして、スリップストリームに吸い込まれてしまった。彼に当たってひどいクラッシュになるかもしれない、と思って、なんとか避けたんだ」と語っている。

     6周目以降のバニャイアはペースをコントロールし、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)やジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がトップに立ったが、オーバーランやクラッシュによって再びバニャイアがトップに立ち、先頭で2023年シーズン最後のチェッカーを受けたのだった。

    「素晴らしい気持ちだ。今のハッピーな気持ちはトップレベル。これまでにこんなにうれしいと思ったことはないよ。レースに勝ったこともうれしい。今日のような状況では優勝は必要なかったけど、優勝してチャンピオンを獲得する、というのは僕がずっとやりたいと思っていた目標だったんだ」

    「だから、すごくうれしいよ。残り5周では、バイクが冷えてきたと感じていて、フロントタイヤ(が滑るんじゃないかと)びくびくしていた。とてもハッピーだ。今は、息ができる。けっこうなプレッシャーがあったものだから、大変な日だった。でも、本当にうれしいよ」

     2連覇を達成したバニャイアは、チャンピオン会見でそうレースを振り返った。今季はドゥカティが席巻し、ドゥカティライダーによってチャンピオン争いが繰り広げられたシーズンだった。そのなかでも、バニャイアはより安定した成績を収め続けていた。

     バニャイアは「バルセロナで流れが途切れた。そこから僕たちの苦戦が始まったんだ」と語っている。カタルーニャGPは、決勝レースで転倒、他車との接触というアクシデントが起こったレースだった。バニャイアは「そのあと予選での速さ、スプリントについてちょっと苦戦し出したんだ」と言う。

     シーズン後半、勢いという点ではマルティンが勝っていたかもしれない。だが、「苦戦」していたというサンマリノGP以降のスプリントレースでも、バニャイアは4度、トップ3に入っている。苦しい状況だったとしても、アップダウンの振れ幅がより小さかった。

     バニャイアは昨年と今年を比べて、「より状況をマネージメントするために、どんな状況でも落ち着くという点で、大きく成長したことがあると思う」と述べていた。

    「チームはすごく僕を助けてくれた。それから、考え、ミスから学び続けるだろう。去年でもう学んだと思っていた。でも、今年、2、3レースで去年と同じミスをしたんだ。どんなときも、自分たちを成長させる糧になる。こういうことを続けなくちゃいけないと思っている。どんなときも、自分たちを向上させていくんだ」

     2022年、ちょうど1年前もバレンシアGPでチャンピオンが決まった。それがバニャイアにとって、一度目の最高峰クラスのタイトルだった。感情を爆発させることが少ないバニャイアは、表面上はあまり変わらなかったが、今季、シーズンを通して言葉の端々に円熟味が増したように見えた。そんな成熟──または、成熟に向かう意思──が、バニャイアをチャンピオンたらしめた、大きな要因のひとつだったのかもしれない。
    .
    2023年も最終戦バレンシアでタイトルが決まった

    .
     

Comments

Discussion in 'News and Articles' started by Auto News, Nov 26, 2023.

Share This Page