スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.50 柳田真孝さん(2回目)

Discussion in 'News and Articles' started by Auto News, Dec 29, 2023.

By Auto News on Dec 29, 2023 at 11:52 PM
  1. Auto News

    Auto News Moderator Staff Member

     ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はGOODSMILE RACING & Team UKYOの谷口信輝選手から、BMW M Team Studie x CRSの柳田真孝選手に繋がりました。

     しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。

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     前回はグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝選手に、Youtubeチャンネルについて聞いたこのコーナー。次の人についてあれこれ悩みましたが、結果的にスーパー耐久に参戦していたPETRONAS SYNTIUM TEAM時代にチームメイトだったStudie BMW M4の柳田真孝選手に繋がりました。

     というわけで、読む前に大前提として。スーパーGTでGT500、GT300と四度のチャンピオンを獲得している柳田選手は、今季こそBMWをドライブして“Mの柳田”でしたが、“Zの柳田”と呼ばれた名ドライバー、柳田春人さんのご子息で、2023年は東京都調布市にある.の社長職をお父様から継いでいます。

     ちなみに今回の取材は、スーパー耐久第7戦富士のレースウイークに行いました。

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    ■クルマは実用的じゃないと。


    ──というわけで、2回目のお悩み相談ショッキングです。前にも一度受けていただきましたが。
    柳田真孝さん:はい。僕ですか。

    ──そんなこんなで、今回はお悩みというより、質問が谷口信輝さんから回ってまいりまして。
    柳田さん:昨日話してたのに(笑)。

    ──というわけで、谷口さんからの質問を読み上げさせていただきます。『まずはセントラル20社長就任おめでとうございます。以前、スーパー耐久で組んでいたときに、あなたはノーマルがいちばんで、イジるヤツはアレだと豪語していて、そのアレを扱う会社の社長に就かれましたが、いかがお過ごしですか』という内容です。
    柳田さん:言ったかなそんなこと(笑)。実は昨日も別件で違う人と話していたんだけど、『柳田はイジらないからクルマ好きじゃない』みたいなことを言われたんですけど、そうじゃないんすよ! 『あのイジり方だったら、イジらない方が好きだな』という意味なんですよ。

    ──ほほう。
    柳田さん:例えば、いま僕が手がけているフェアレディZは、自分の好みに仕上げているわけです。でも、別の方にもまた好みがあると思うんです。そこはちょっと違うと思うんですよ。価値観の話だと思うんです。

    ──たしかに、価値観が相容れない人は相容れないですね。
    柳田さん:そう。だからイジってるからアレなわけではないんです。そこは勘違いしないで欲しいんですよね。だって、自分が良いと思っているイジり方を、人に『これがいちばんカッコいいんだからコレに乗れよ』とは言えないじゃないですか。もし好きだったら共感してもらって、一緒にやりましょうよ……となりますよね。

    ──おっしゃるとおり。
    柳田さん:その人にも言ったんですけど、例えば僕が好きな女性のタイプがいるとしますよね。でもその人に『僕はこういうタイプが好きなんだから、あなたも好きですよね』とは言えないじゃないですか。それと同じだと思うんです。『これがカッコいい』、『これがカワいい』というものに共感できれば良いですけど、そこは例えば女性でもそれぞれじゃないですか。そのタイプの差があると思いますね。

    ──なるほど。
    柳田さん:あとは、『イジるのがクルマ好き』みたいに言うから、それも違うんじゃないかと思うんですよ。だって、市販車ってメーカーがものすごい開発費をかけて作ったものですし、開発の人たちをリスペクトしていないんじゃないか? という気もしちゃいます。もちろんイジるのもいいんですが、何から何まで……というのは少し。とにかく僕は実用的でもあってほしいんですよ。だから僕はそこをやり過ぎちゃうクルマは好きじゃないんです。だから、そういうやり過ぎちゃってるクルマなら、ノーマルの方が良い……ということですね。
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    セントラル20のフェアレディZのデモカー。

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    セントラル20のフェアレディZのデモカー。Z-SPORTのインテリアパーツにリクライニングシートの組み合わせ。
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    セントラル20のフェアレディZのデモカー。Z-SPORTブレーキキットとBBS RI-D、ミシュランという組み合わせ。フロントカーボンスプリッターも目立つ。
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    セントラル20のフェアレディZのデモカー。Z-SPORT伝統のタテ2連、4本出しのテールエンド、Z-SPORTカーボンガーニーフラップが目を引く。

    ■今後もフェアレディZ専門店として


    ──そんなこんなで、社長に就いて生活変わりました?
    柳田さん:だいぶ変わりましたよ。やっぱり社員の皆さんもいますし、その人たちにも家族がいるわけで、当然そういった責任も考えます。会社を運営、存続させて、発展させていかなきゃと、より強く思っています。意識もだいぶ変わりました。

    ──お父様の柳田春人さんが作り上げたセントラル20では、フェアレディZ専門のチューニングを続けているわけですが、方向性の変化は?
    柳田さん:そこは僕は父と似ている部分が大きくて、自然にDNAを受け継いでいると思います。

    ──では、セントラル20がプロデュースするフェアレディZは、今後もああいう方向性になるのかしら。
    柳田さん:そうですね。……だから話を戻すと(笑)、谷口さんが言ったような『イジらないのは邪道』みたいなのは、そういう方向性と僕が手がけるものの方向性がちょっと違うのかな? と思います。ウチのお客さまはそこまでカリカリにチューニングする人は多くないですし、これまた例えばですけど、女性がフェアレディZを買ってセントラル20に来たら、女性でも喜ばれるものにしていきたいと思います。実際にそういう方もいらっしゃいますしね。

    ──なるほど。
    柳田さん:クルマって、すごく好きでイジる人も多いですけど、やっぱり生活のツールのひとつで、サーキットを走るだけがクルマじゃないですからね。ふだん使う方が多い。そういう中で楽しめるような商品を展開していきたいと思っています。

    ──すっかり社長ですなあ。
    柳田さん:そうですかね(笑)。でも、全体的にそういう方向にあると思うんです。フェアレディZももっと台数が出て欲しいですし。そんな中でもフェアレディZのユーザーの皆さんって、例えばZ32はR32スカイラインと同じ頃に出たクルマ(編注:1989年発売)ですが、Z33にもZ34にも乗り換えないで乗り続けている方もいるんですよ。でも、いろいろな部品が経年劣化で壊れてきちゃう。でも純正がなくなってきているので、そういうものをウチで作ったりしてます。

     かゆいところに手が届く……表現合ってます(笑)? じゃないですけど、そういうパーツやメンテナンスなどをフェアレディZのユーザーに提供していくのが、Z専門店であるセントラル20が今後もやっていくべきことだと思っているので、ぜひZのお客さまはセントラル20にお越し下さい(笑)。

     なんなら谷口さんも先日ウチのフェアレディZに乗ってもらいましたし、先日雑誌でも良い評価をしてくれたりしましたからね。あれは当然僕も関わっていますし、そういったところを認めていただければ(笑)。なんならデモカーお貸ししますので、ぜひまた試してもらって、Youtubeで取り上げていただいてもいいですよ(笑)。

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    こちらのイエローのフェアレディZは柳田真孝の愛車。Z-SPORTのチューニングで鮮烈な仕上がりに。
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    Z-SPORT N.S インテリアシリーズのRZ34サブメーターリング。サブメーターフードの組み合わせで高級感ある仕上がりに。

    ■今年は楽しかったです


    ──そんなこんなで、キレイにまとまったところで。このコーナー、次の人に繋げなきゃいけないんですよ。何かお悩みないですかね。
    柳田さん:なんかぜんぜん違うところに行きたい気もするよね。

    ──近いところでは、実は荒(聖治)さんは出てない。
    柳田さん:荒さんいいね。近すぎるかな?

    ──あと実は最近ニッサンドライバーがあんまり出てないかも。
    柳田さん:質問と回す相手がセットなのが難しいよね。候補はいても、聞くことがない。……じゃあ荒さんに、『けっこう忙しそうであまり家に帰ってないと思うんですが、夫婦円満の秘訣を聞きたい』ということを……ってそれ、(星野)一樹さんに同じ質問したっけ?

    ──.
    柳田さん:したよね。まるでウチがうまくいってないみたいじゃないですか(笑)。では荒さんに『予選Q1が速すぎなんですが、どうやって走ってるんですか?』と聞いてみたいです。

    ──たしかに荒さんのQ1通過率は高い気がする。
    柳田さん:もちろん直接聞いていますが、改めて聞いてみたいです。その上で、『今年柳田はいかがでしたか?』と聞いてみてください。僕としては、今年は楽しかったです。荒さんは昔から知ってますしね。チームの雰囲気も良かったです。そこで荒さんはずっとやっていますからね。僕は毎年チーム変わってるので(笑)。

    ──もう何チーム?
    柳田さん:なんなら全チーム制覇できるくらいかも(笑)。ニッサンはインパルさん以外全部乗ってますし、GT300でもスポット含めたら9チーム乗ってますね。嬉しいですよ。でも逆に、立川(祐路)さんもうらやましいですよね。引退セレモニーもやってもらって。僕なんか絶対無理かも(笑)。

    ──いやいや、そんなこともないでしょ。四度のチャンピオンでしょ? 引退の言い方も難しそうだけど。
    柳田さん:素晴らしいですよね。人を惹きつけて、いまだに走りでも現役でできる実力があって。ファンの皆さんもそうだけど、中の人たちも惹きつけて引退できる人もなかなかいないですよね。単純にすごいと思って観てましたからね。

    ──では“言う”タイミングはまだ先とは言え、その時はぜひ引退セレモニーもしてもらいましょう。今日はありがとうございました!
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    2023スーパーGT第4戦富士 柳田真孝、鈴木康昭監督、荒聖治(Studie BMW M4)
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    2023スーパーGT第4戦富士 柳田真孝(Studie BMW M4)

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     というわけで、次回は2023年のチームメイト、荒聖治選手に繋がりました。ただ実は荒選手には「取材があります」と伝えただけでまだ実現できていないのです。荒さん、また連絡します!

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