ル・マン6連覇を狙うトヨタ、2台揃ってハイパーポールへ進出。小林可夢偉「なんとか達成できました」

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By Auto News on Jun 7, 2023 at 9:15 PM
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     6月7日(水)、いよいよWEC世界耐久選手権の2023年シーズン第4戦『ル・マン24時間レース』の走行セッションが開始された。レースウイークの初日となった7日は、2度の公式練習走行とその間にハイパーポール進出をかけた予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のトヨタGR010ハイブリッドは総合3番手、4番手タイムを刻み、ともに各クラス上位8台までが進めるハイパーポールへの出場権を獲得した。

     8日(木)に行われるハイパーポールでは今大会のポールシッターが決定する。TGRは現在、ポルシェの記録と並ぶ6年連続ポールポジションを獲得中。今年、7年連続となればル・マンの歴史に名を残すこととなる。

     予選3番手タイムを記録した7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)の可夢偉は、“レジェンド”ジャッキー・イクスの記録に並ぶ5度のポールポジションを獲得している。その可夢偉は予選セッションの序盤に3分25秒485という好タイムを記録し、一時は総合トップに立った。その後2台のフェラーリ499Pがこのタイムを上回ったものの、最終的には0.272秒差の3番手で予選を通過。ハイパーポールへと駒を進めている。

     一方、姉妹車8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)では2022年大会のポールシッターであるハートレーがアタックを担当。最初のアタックでは6番手につけるも、ライバル勢がタイムを更新したことで11番手まで後退することに。

     その後もイエローフラッグやコース上の混雑に阻まれ、なかなかタイムを更新できない状況が続く。しかし残り30分を切ったところで3分25秒749の好ラップを記録して4番手に浮上。こちらも上位8台のグリッドを決めるセッションへの進出を決めた。

     予選セッションに先駆けて行われたフリープラクティス1回目では、8号車のブエミがチームメイトよりも多い17周をラップした。彼はABB FIAフォーミュラE世界選手権を優先したため、4日(日)にル・マンで行われたテストデーを欠席していたのだ。

     TGRはこのプラクティスにおいて、使用可能な3種類のタイヤコンパウンドに加え、さまざまなメカニカル、および空力のセットアップなどの確認作業を実施。長い赤旗中断もありクリーンなアタックラップを行うのは難しい状況だったものの、可夢偉が3分27秒875、ハートレーがこれを上回る0.133秒上回る3分27秒742を記録してTGR勢がリザルトのワン・ツーを占めてみせた。

     プラクティス2回目は予選後の22時にスタート。テストデーを含めても今年始めてとなるナイトセッションでは6名全員が、レギュレーションで義務付けられている最低5周のラップを消化した。そのなかで7号車は5番手、8号車は11番手タイムで同セッションを終えている。

     レースウイークの2日目となる8日(木)も、現地15時から3時間にわたるプラクティス3回目が行われ、その後20時からハイパーポールが実施される予定だ。また、22時からは1時間の枠でフリープラクティス4回目が予定されている。

     プラクティス1、2回目と予選を終えたTGRドライバーのコメントは以下のとおりだ。
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    TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)

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    ●小林可夢偉 7号車トヨタGR010ハイブリッド(チーム代表兼任)


    「忙しい初日でしたが、練習走行で、2台ともトラブルなく走ることができて良かったと思います。決勝レースへ向けてクルマのバランスは良くなっていますし、今日の我々の目標は、明日のポールポジションを争うために、2台ともにハイパーポールへ進出することでした」

    「簡単ではありませんでしたが、なんとか達成できました。正直なところ、現時点で我々にはポールポジションを獲得するために充分な速さがあるかはわかりません。練習走行で一歩一歩着実に進化しているので、さらなる改良へ向けハードワークを続けていきます」

    ●マイク・コンウェイ 7号車トヨタGR010ハイブリッド


    「無事走行を開始し、問題なく最初の練習走行を終えられて良かった。とくにナイトセッションとなった練習走行2回目は、1回目に比べ、アクシデントが少なかったので、多くの周回をこなすことができ、また決勝レースへ向け、時間を有意義に使うべくプログラムを進めた」

    「まだ望んだような形ではないが、徐々に改善を進めていくつもりだ。予選では可夢偉が素晴らしい走りをしてくれたので、ポールも狙っていくが、大事なのは決勝での力強いレースペースであることは言うまでもない」

    ●ホセ・マリア・ロペス 7号車トヨタGR010ハイブリッド


    「多くの周回をこなし、さまざまな内容を試したので、それらにより得られたデータがさらなるパフォーマンス向上に役立つことを期待している」

    「可夢偉とブレンドンは素晴らしい走りで、2台揃って今日の予選での目標であったハイパーポール進出を決めてくた。かなり接近戦だったが、フェラーリはとても速く、また、他のハイパーカーも競争力は高いと思う。我々は練習走行でクルマのバランスを改善することができましたが、まだ改良の余地は残っており、それが明日木曜日の優先事項だ」
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    TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)

    ●セバスチャン・ブエミ 8号車トヨタGR010ハイブリッド


    「例年どおり忙しい公式練習初日となった。ようやくここに来られて、またル・マンを走れてうれしいし、目標であったハイパーポールに進出できたことも本当にうれしく思っている」

    「予選はなかなか難しいセッションだったが、ブレンドンが後半うまくタイムをマークしてくれた。タイムが非常に接近していただけに、少しほっとしているよ。これでハイパーポールと、決勝へ向けたセットアップに集中することになる。練習走行の時間はまだ長いですし、頑張るだけだ」

    ●ブレンドン・ハートレー 8号車トヨタGR010ハイブリッド


    「タイム差の小さい、厳しい予選だった。最初のアタックラップでは、アタック開始時にプジョーに接近しすぎてタイムが出ず、いま思うと、あの時点でそれなりのタイムを出しておくべきだった」

    「その後はイエローフラッグが立て続けに出され、何度もタイムを失ったが、幸運にもクリーンなラップを得ることができ、ハイパーポールへの進出を決められてほっとしている。とは言え、最速ではなかったし、クルマのバランスはまだ100パーセントではない。まだセットアップの幾つかの妥協点を探っている段階だが、ハイパーポールと決勝でさらなるパフォーマンスを発揮できるようプッシュを続けるつもりだ」

    ●平川亮 8号車トヨタGR010ハイブリッド


    「良い一日でした。レースウィークが本当にスタートしたという実感があります。ル・マンではいつもコース上の混雑やさまざまなアクシデントに見舞われるため、クリーンラップを得るのは容易ではありません。私も練習走行時に直面しました」

    「それ以外、クルマのセットアップも順調に進んでおり、これまでのところ、進捗状況には満足しています。まだ車両のバランス面で調整は必要ですが、この段階では普通のことです。予選は非常に接近したタイムで、見ていてエキサイティングでした。ブレンドンがいいラップをマークしてくれましたし、ハイパーポールが楽しみです」
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    フリープラクティス1回目で最速タイムを記録した8号車トヨタGR010ハイブリッド

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