オーストラリア・スーパーカー:マスタング駆る王者が連覇。レースはふたつのペナルティが物議

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By Auto News on Nov 14, 2019 at 1:12 AM
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     2019年シーズンも残り2戦となったVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第14戦サンダウン500が11月8~10日に開催され、予選レース、メインレースともにレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)のジェイミー・ウインカップ/クレイグ・ラウンズ組(ホールデン・コモドアZB)が制し、週末を完全制覇。そしてペナルティ裁定を巡る混乱のなか、日曜最後尾から9位に入った王者スコット・マクローリン(フォード・マスタング)が2年連続のシリーズチャンピオンに輝いた。

     第13戦ゴールドコースト600の日曜予選で、サーファーズパラダイスの高速シケインの餌食となり約43Gものインパクトを伴う大クラッシュを喫した王者マクローリン。

     この第14戦に向け自宅静養を続けていたディフェンディングチャンピオンは、DJRチーム・ペンスキーのメンバーに帯同されレースウイークに入ってからメディカル検査を受けると、無事にこれをパス。王座防衛に向け週末のレースへ挑むことを許可された。

     シリーズ終盤のレース距離500マイル(約800km)越えのイベントに課される“エンデューロ・カップ”3戦の最終戦にも指定されているサンダウンは、今回も1台のマシンをレギュラードライバーと耐久カップ登録のコドライバーがシェアしての勝負となった。

     その耐久カップ・タイトルの掛かる最終戦は、土曜にスプリント方式のクオリファイレース2ヒートが実施され、その初戦はBドライバーのみによる争いに。

     その予選でポールポジションを獲得したのは、王者マクローリンとペアを組むアレクサンダー・プレマ(フォード・マスタング)だったが、この2019年シーズンを席巻したDJRチーム・ペンスキーのマシンを駆るフランス人は、雨脚が強まるウエット路面のレース1でペースをつかめず大苦戦。

     スタートでフロントロウに並んだ宿敵RBRAのラウンズが1コーナーで首位を奪取すると、すぐ背後では4番グリッドから発進のガース・タンダー(ホールデン・コモドアZB)がジャンプアップし、トリプルエイト・レースエンジニアリングの2台がレースを支配していく。

     さらに、20周レースの終盤に見せ場を作ったのもホールデンをドライブする若手で、今季初年度開催のTCRオーストラリアで初代王者に輝いたウィル・ブラウンが、エレバス・モータースポーツの“JPS”カラーをまとうホールデンで怒涛のパッシングを披露。

     豪雨となった路面をモノともせず、プレマ、ブライス・フルウッド(ニッサン・アルティマ)、そしてタンダーを仕留めて2位浮上を果たしてチェッカー。ハコ車使いとしての才能を遺憾なく発揮してみせ、RBRAのワン・ツーを阻止すると同時にホールデンが表彰台を独占する結果となった。
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    往年のマシンカラーへのオマージュを込めた”レトロ・リベリー”イベントとなった本戦。来季は適用イベントをさらに増やす方針だ
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    Bドライバーのみの対決となった予選レース1は、昨季までレギュラー参戦したクレイグ・ラウンズが貫禄勝ち
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    予選1でスペクタクルを演じたニッサンのブライス・フルウッド。しかし、これが予選2の結果に繋がることに

     これで勢いを得たウインカップ&ラウンズの師弟コンビは、タイヤ戦略が分かれた続く予選レース2でも速さをキープ。レギュラードライバー勢による争いとなった20周のバトルは、ラウンズの勝利によりポールスタートのウインカップが余裕のライト・トゥ・フラッグを達成した。

     一方、同じRBRA勢で3番手発進となったSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンは、後方からダッシュを決めたマクローリンのディフェンスに気を取られ、1コーナーのブレーキングポイントを誤りオーバーシュート。

     その際、フロントロウスタートだったエレバスのアントン・デ・パスカーレに追突しスピンさせるアクシデントを起こすも、レーススチュワードはなぜかパスカーレにペナルティを課しパドックは紛糾する。

     レース後のSVGも「あれは僕のミスで、完全に彼らのレースを台無しにした。その上、彼らにドライブスルーペナルティが下るなんて、本当に申し訳ないとしか言いようがない」と語り、明けた日曜午前にはレースコントロールが過ちを認め謝罪するという異例の事態となった。

     この予選レース2の結果を受け、日曜500マイルのメインレースに向けてはウインカップ/ラウンズ組が盤石の最前列を確保。フロントロウにアンドレ・ハイムガートナー/ブライス・フルウッド組(ニッサン・アルティマ)が並び、エレバスのデビッド・レイノルズ/ルーク・ヨールデン組(ホールデン・コモドアZB)、23Red Racingのウィル・デイビソン/アレックス・デイビソン組(フォード・マスタング)がセカンドロウ、続く5番手に王者マクローリン&プレマ組が並ぶグリッドとなったかに見えた。

     しかし日曜午前。パドックではまたも物議を醸す裁定が下り、スチュワードは「第12戦バサースト1000の予選セッションにおいて、DJRチーム・ペンスキーの17号車(マクローリン/プレマ組)のエンジンに技術規約違反があったことが判明した」とし、この第14戦サンダウン500決勝で17号車を最後尾グリッドへ降格するとアナウンス。チームに3万豪州ドル(約225万円)の罰金を課した。
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    シーズンを通じた圧倒的速さは影を潜め、ペナルティ裁定にも翻弄されたDJRチーム・ペンスキー陣営
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    予選レース2のスタートで廻されたアントン・デ・パスカーレは、エレバスともに運営側の謝罪を受け入れた
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    いよいよラストランが近づくニッサン・アルティマ。エースカーに乗るリック・ケリー組は残念ながらトップ10に絡めず

     物議を醸す決断のなかスタートした161ラップの決勝は、ポールシッターの888号車ウインカップ/ラウンズ組が優位を保ったままレースを進め、前日のアクシデントで24番手スタートを強いられた97号車SVG/タンダー組が怒涛の追い上げを披露。スタート担当のSVGが72周を終えてタンダーにスイッチする頃には、22台を抜き去り2番手でマシンを引き渡す離れ業を演じてみせる。

     さらに134周目にピットへ向かった97号車は、再びSVGへとステアリングを託すと、僚友888号車の8秒前方でトラックに復帰し、ついにトップランを手にして終盤戦へと突入していく。

     しかし、ここでも最後のドラマが待ち受けており、首位を行くSVGの左リヤから突然のスモークが上がり、レッドブル・カラーの97号車はダンパートラブルによりスローダウン。最終的に2ラップダウンの17位という“天国と地獄”を体現するリザルトとなってしまう。

     これで楽になった888号車ウインカップ/ラウンズ組が週末完全勝利のトップチェッカーを受け、この瞬間、2019年“エンデューロ・カップ”のタイトルも獲得。そして失意の最後尾からタイトル獲得のためだけにマシンを運んだマクローリンは、給油作業違反で15秒のペナルティを受けつつ9位でフィニッシュ。スッキリ晴れない形ながら、ドライバーズタイトル連覇を達成した。

    「チームの仕事を誇りに思う。どんな不遇の状況でも僕らはフェアに成し遂げたんだ。今日は最後尾からスタートして、トップ10に入ることだけを考え、実際にそれを実現したんだからね。最終戦ニューキャッスルではチームとスポンサーのために、まだやるべき仕事が残されている。チームタイトルのため全力で勝ちに行ってやるよ」と、マクローリン。

     その言葉どおり、デビューイヤーのフォード・マスタングが猛威を振るった2019年VASCシーズン最終戦ニューキャッスル500は、11月22~24日の週末に争われる。
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    161周の決勝で間違いなく主役を演じたSVG/タンダー組だが、最後の最後で涙を飲む展開に
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    「本当のお祝いは最終戦の後だ」と、硬い表情のままドライバーズタイトル連覇の週末を終えたスコット・マクローリン
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    辛酸をなめた2019年の鬱憤を晴らすかのような週末を過ごしたウインカップ/ラウンズ組が”エンデューロ・カップ”のタイトルも獲得

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