第66回マカオGPが14日開幕。FIA F3マシンにあわせサーキット改修も残る怖さ

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By Auto News on Nov 13, 2019 at 10:43 PM
  1. Auto News

    Auto News Moderator Staff Member

     中華人民共和国・澳門特別行政区の市街地コース(全長6.120km)で、11月14日から4日間の日程で第66回マカオGPが開催される。グランプリ・レース(メインイベント)は、F1と併催されているFIA F3の車両とチームがそのまま参戦。全日本F3選手権のチームは締め出された格好となり、日本人ドライバーはレッドブル・ジュニアでホンダ育成ドライバーの角田裕毅ひとり。なお、角田は2019年シーズンのFIA F3を戦ったイェンツァーではなくハイテックからの出場となるが、その背景を「レッドブルの指示によるもの」と語った。

     エントリーリストは別表のとおり。角田のようにチーム移籍などはあるにせよ、FIA F3のレギュラードライバーが17名揃った。残り13名のなかで注目株の筆頭はダニエル・ティクタムで、2017年と2018年のマカオGPに続く史上初の3連覇に挑む。

     そのティクタムに一昨年のマカオGPでは最終周の最終コーナーで事故を起こし優勝を譲った、DTMドイツ・ツーリングカー選手権ドライバーのファーディアンド・ハプスブルクも顔を見せ、「ひさしぶりのフォーミュラカーレースにワクワクしている」と笑顔で語った。

     2018年のマカオGPで大クラッシュに見舞われたゾフィア・フローシュも、パドックに元気な姿を見せた。FIA F2選手権ドライバーのカラム・アイロットは5回目のマカオGP挑戦。デビッド・シューマッハーやエンツォ・フィッティパルディなど、レース名門一家の若手はフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ(FREC)からのステップアップである。

    なお、マカオGP経験のあるドライバーは13名、同じくマカオGP経験のあるチームはプレマ、カーリン、ハイテック、しばらくブランクはあるもののARTといったところ。

     マカオGP経験の有無、マカオGPでの実績、ドライバーの布陣などで考えるとプレマが優勝候補の筆頭。これにハイテック、ART、カーリンが続く格好か? ともあれ、マカオ未経験ドライバー/チームも多数。車両も初導入となったため、例年以上に事故や事件が発生する可能性も懸念される。

     ちなみにマカオGPが開催されるギア・サーキットのライセンスは“グレード3”に過ぎず、FIA F3車両のパワー・ウェイト・レシオでの競技は不可能だった。

     このためマカオGPの主催者は国際自動車連盟(FIA)の指導と協力を受け、FIA F3車両でも走行可能な“グレード2”へ格上げするためリザーバー、マンダリン・オリエンタル・ベンド、リスボア・ベンド、山側区間、Rベンドなどに手を加えると9月12日に発表していた。

     11月13日に筆者がトラックウォークで視認した限り、コースレイアウトの変更はない。比較的大きな変更を受けたのはリスボア・ベンド。進入部分右側のフェンスとガードレールが大きくコースへ張り出し、縁石とガードレールの隙間も狭くなった。

     同時にベンドのエイペックに設置されていた青い“ソーセージ”も取り除かれた。リスボア・スタンド側のフェンスもコースへ張り出し、全体的に見るとリスボア・ベンド進入で姿勢を乱した車両はそのままエスケープ・ゾーンに逃れるようになった。

     これまでリスボア・ベンド外側に存在したフォトグラファーズ・バンカーは、ソフィア・フローシュの昨年の事故の影響で撤去されている。合わせてリスボア・ベンド外側のキャッチ・フェンスは支柱が根元部分から強化されたほか、支柱の設置間隔も昨年より狭くなっている。

     加えて、これまで一重だったタイヤ・バリアは部分的に二重へ強化されるなど、目を凝らしてみると昨年までとの違いは明白だ。

     リスボア・ベンドの立ち上がりには、ガードレールのほかに衝撃吸収材がコース側に追加された。同じような衝撃吸収材はメルコ・ヘアピンの立ち上がりでも見られた。リスボア・ベンドに続くサンフランシスコ・ベンドには、従来までのタイヤ・バリアではなく、“TECPRO”バリアを三重で設置。

     そしてコースを逆戻りするが、マンダリン・オリエンタル・ベンドの立ち上がりには、インディアナポリス・モータースピードウェイで採用されている、“SAFER”バリアが新設された。

     とはいえ、先の9月のマカオGP主催者の発表があったあと、FIAは10月14日付けで“サーキット・ライセンス・リスト”をホームページに掲載。これを見るとギア・サーキットは“グレード3”のままで、しかもサーキット・ライセンスの有効期限は2021年11月17日となっている。

     ギア・サーキットが“グレード2”へ昇格したという正式な発表や公式の文書はまだ手に入っておらず、この件に関しては現地でさらに取材を重ねたい。

    ■DRSはマカオGPでも使用可能。オーバーテイク増加予想も残る怖さ


     そしてFIA F3車両ならではの注目がドラッグ・リダクション・システム(DRS)。シーズン中も導入されてきたこの“追い越し促進装置”がマカオGPでも使用されるのかどうかは、海側に長い直線を持つギア・サーキットでは注目だった。

    これについては“FIA-FORMULA 3 WORLD CUP 2019”の冠をいただいた第66回マカオGPのスポーティング・レギュレーションの中に、「30) GENERAL CAR REQUIREMENTS」という項目があり、その中の「30.4 Driver adjustable bodywork」と題した部分に“DRS”の使用も可能という規則が載っている。

     では、“DRS”の設置個所は? と知人であるHWAのトラック・エンジニアなどに聞くと、「マンダリン・オリエンタル・ベンドの立ち上がりからリスボア・ベンドまで」との回答。

    実際に足を運んで調べると、たしかにマンダリン・オリエンタル・ベンドの立ち上がりに横断方向の白線とコース両脇に看板が設置されていた。そうでなくてもギア・サーキットは“トゥ(スリップストリーム)”の使い合いによる追い越しが頻繁に観られる。

     追い越しを促進する“DRS”の使用が可能となると面白さは倍増するかもとは思いながら、一方では怖さも感じてしまった。
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    第1コーナーを抜けて長い直線のあとに控える高速コーナー、マンダリン・オリエンタル・ベンド出口の先から設置される“DRS”ゾーンは、リスボア・ベンドのブレーキングまで続く。
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    マンダリン・オリエンタル・ベンドの高速右コーナー左側(外側)には、インディアナポリス・モータースピードウェイが先鞭をつけた“SAFER”バリアが新設された(写真左端)。
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    リスボア・ベンドのエスケーブ・ゾーンから撮影。リスボア・ベンド進入部分の内側は、フェンスとガードレールがコース側へせり出して縁石との隙間が狭くなっている。
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    上写真の拡大。ストレート・エンドは昨年までよりも絞り込まれて、明らかに狭さを感じる。エイペックスに設置されていた青い“ソーセージ”も取り除かれていた。
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    リスボア・エンド外側の支柱とキャッチ・フェンス。支柱は明らかに高くなり、支柱の間隔も明らかに狭くなっている。写真には映っていないが支柱の根元部分も強固になっている。
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    リスボア・ベンドの立ち上がり、ガードレールのコース側には衝撃吸収材が新しく貼られていた。同じような安全装置はコースの各所で目に付いた。
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    サンフランシスコ・ベンドの外側はこれまでのタイヤ・バリアに代えて、“TECPRO”バリアが設置された。キャッチ・フェンスの存在もあって、以前とは様変わりしている。
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    サンフランシスコ・ベンドの“TECPRO”バリア。フィッシャーマンズ・ベンドなどにも採用されている。小さな体積でより高い安全性を発揮するので、空間に制限のある市街地コースでは重宝されている。
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    サンフランシスコ・ヒルの登り坂を上がりきった先、マタニティ・ベンドへ向かう手前の左コーナー。手前に路面の“うねり”があって事故が頻発する個所としても有名である。
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    マカオでは歴史のある東望洋酒店(ギア・ホテル)を左手に見て右コーナーをクリア。意外にもここでのクラッシュは少ない。宿泊客はホテル屋上からレースを観戦できる。
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    ポリス・ベンドは低速コーナーとはいえコース幅が狭く視界が悪い。近年はGTレースなどで事故が多発、赤旗中断を発生させる鬼門として有名になってしまった。
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    ポリス・ベンド先のモーリッシュ・ベンドは右90度コーナー。1990年にここでミハエル・シューマッハーが先行車両を内側から追い越したなんて誰が信じられるだろう?
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    基本的に追い越し禁止のポリス・ベンド。コーナーの立ち上がりには、リスボア・ベンドの立ち上がりと同様にコース側に衝撃吸収材が貼られていた。それでも、FIA-F3車両は曲がれるのか?
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    フィッシャーマンズ・ベント手前の直線部分からその先のベンド立ち上がりにかけては、例年同様に路面が新しく舗装し直されていた。
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    フィッシャーマンズ・ベンド立ち上がりのフォトグラファーズ・バンカーは健在。ここにもガードレールのコース側には衝撃吸収材が見られる。

    ■2019 第66回マカオグランプリ
    FIA F3ワールドカップ エントリーリスト


    No Driver Nat Team
    2​
    マーカス・アームストロング
    NZL ​
    SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
    3​
    ジェハン・ダルバラ
    IND ​
    SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
    5​
    ロバート・シュワルツマン
    RUS ​
    SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ
    6​
    ユーリ・ビップス
    EST ​
    ハイテック・グランプリ
    7​
    マックス・フュートレル
    GBR ​
    ハイテック・グランプリ
    8​
    角田裕毅
    JPN ​
    ハイテック・グランプリ
    9​
    クリスチャン・ルンドガルド
    DNK ​
    ARTグランプリ
    10​
    フェルディナント・ハプスブルク
    AUT ​
    ARTグランプリ
    11​
    セバスチャン・フェルナンデス
    ESP ​
    ARTグランプリ
    12​
    オリバー・キャルドウェル
    GBR ​
    トライデント・モータースポーツ
    14​
    デイビッド・ベックマン
    DEU ​
    トライデント・モータースポーツ
    15​
    TBA
    TBA ​
    トライデント・モータースポーツ
    16​
    ジェイク・ヒューズ
    GBR ​
    HWAレースラボ
    17​
    キーファン・アンドレス
    IRN ​
    HWAレースラボ
    18​
    TBA
    TBA ​
    HWAレースラボ
    19​
    ルーカス・ダナー
    AUT ​
    MPモータースポーツ
    20​
    リアム・ローソン
    NZL ​
    MPモータースポーツ
    21​
    TBA
    TBA ​
    MPモータースポーツ
    22​
    TBA
    TBA ​
    イェンツァー・モータースポーツ
    23​
    レオン・ホン-チオ
    MAC ​
    イェンツァー・モータースポーツ
    24​
    アンドレアス・エストナー
    DEU ​
    イェンツァー・モータースポーツ
    25​
    カラム・アイロット
    GBR ​
    ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
    26​
    ダビド・シューマッハー
    DEU ​
    ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
    27​
    エンツォ・フィッティパルディ
    ITA ​
    ザウバー・ジュニアチーム・バイ・シャルー
    28​
    ローガン・サージェント
    USA ​
    カーリン・バズ・レーシング
    29​
    フェリペ・ドルゴビッチ
    BRA ​
    カーリン・バズ・レーシング
    30​
    ダニエル・ティクトゥム
    GBR ​
    カーリン・バズ・レーシング
    31​
    アレッシオ・デレーラ
    ITA ​
    カンポス・レーシング
    32​
    TBA
    TBA ​
    カンポス・レーシング
    33​
    TBA
    TBA ​
    カンポス・レーシング


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